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ALFP eマガジン 第4号 Culture and Identity

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概要

ゲストエディター:Samrat Choudhury(作家 / フリージャーナリスト / 2018年度ALFPフェロー)

今日世界が抱える問題の大半は、文化とアイデンティティを取り巻く問題のように思われる。文化とアイデンティティは、宗教や言語による対立はもちろん、ジェンダー、セクシュアリティ、肌の色、さらには階級の違いによる争いにまで関係している。本号では、アジアの4つの国で活動する著者たちが、文化とアイデンティティについてさまざまな視点から議論する。

アジアは、西は「肥沃な三日月地帯」から、東はインド・中国の大河流域まで、紛れもなく人類の文明発祥の大陸である。これらの地では、人々は何千年も前の出来事を、あたかも昨日今日起こったことのように話す。アジアでは実に5,000年以上にわたり、文化とアイデンティティがせめぎ合いの中で、互いを形成し合う過程が連綿と続いてきた。変化と流動性が唯一の変わらざるものであったとも言えよう。こうしたダイナミズムは、さまざまな言語と宗教を生み出し、その土地に適するよう調整されながら他の地域に伝播され、「自分たちは何者なのか」という人生の問いに答えてきた。そのダイナミズムは、今日でも見て取れる。アジアの文化は、グローバリゼーションとテクノロジーの発達に適応しながら、今なお変化を遂げつつある。異なる文化とアイデンティティの衝突は、距離の消滅によってますます先鋭化し、移民の流入によって激化している。

これらの衝突はなぜ起きるのか。その根底にはどんな力が働いているのか。衝突は永久に続かざるを得ないのか。それとも、絶えず争い合わなくとも、私たちが真の自分でいられる道はあるのだろうか。本号では、こうした問いのいくつかに光を投げかけたい。